沖縄バイオコミュニティは、県内外の関係機関と連携し、企業や大学等研究機関の研究開発の推進及び研究成果の事業化・事業拡大等に加え、研究成果を社会課題解決につなげることで、持続可能な産業の振興に資することを目的として形成されました。
科学技術を活用し、産学官金の有機的連携による相乗効果の発揮により、新たな付加価値を創造するイノベーション型の経済成長への転換を図るため、イノベーションの創出と次世代を担う持続可能な産業の振興を目指します。
社会課題解決につながるシーズや技術が継続的に創出され、様々な分野のスタートアップ企業が創出されることを目指します。
国内唯一の亜熱帯海洋性気候である沖縄県は、他の都道府県とは異なる固有の自然環境を有し、世界自然遺産に登録される地域があるなど、世界有数の生物多様性が高い地域です。現在は、この優位性を背景に、自然科学研究の拠点となる国立自然史博物館の誘致に取り組んでいます。
この豊かな生物多様性の中で、多種多様な生物資源が存在しており、これら資源の産業への応用が期待されています。
独自の歴史・風土の中で育まれてきた泡盛や豆腐ようと言った発酵にかかわる黒麹菌、紅麹、酵母といった微生物を活用した研究が大学、民間で活発に行われています。
これらの多様な生物資源から付加価値の高い製品やサービスの事業化に向けて県内公的研究機関や大学、民間企業では特徴あるライブラリーの整備が進んでいます。
さらに、海洋生物をはじめとする有益な生物資源を探索し、食品・健康・医療・素材・環境等の各分野における実用化を目指す企業が集積しつつあります。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は科学分野の5年一貫制博士課程を置く学際的な大学院大学である。国内外から優れた教員、学生、ポスドクフェロー及び職員を採用することで真に国際的な環境を形成し、科学分野間の境界線を越えた学際的枠組みを構築して卓越した研究及び教育、並びにイノベーションの創出を行っています。
最新のデータベースを利用した正規化指標において、OISTが世界の10の著名大学と比して、質の高い研究論文を生み出す割合が最も高いという結果となりました。
また、2022年にマックス・プランク進化人類学研究所所長でOISTの教授(アジャンクト)も務めるスバンテ・ペーボ教授が、「絶滅したヒト科のゲノムと人類の進化に関する発見」により大きな貢献をしたとして、ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
「ネットワークを整備して物流などの拠点を形成し、沖縄が日本とアジアをつなぐ架け橋になる」
沖縄は、日本国内は北は北海道、近隣諸国では台北、ソウル、上海、北京、香港、マニラ、ハノイ等に飛行機で4時間圏内にアクセスでき、人口22億人を抱える巨大マーケットの中心、アジアと日本をつなぐビジネスHUBとしてその重要度を高めています。
日本とアジアをよりスピーディーにつなぐ「国際物流ハブ」と「国際情報通信ハブ」。「物」と「情報」2つのネットワークでビジネスチャンスを支えています。
沖縄バイオコミュニティは、沖縄県内の産・官・学・支・金を構成機関として形成しています。
また、県内外の関係機関との連携により、多様なプレイヤーとの交流や協働、継続的な研究開発の実施、事業化や事業拡大の促進が期待されます。