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「沖縄ならではのSociety 5.0に向けて~誰もが沖縄県の健康医療を支えるデータサイエンス人材になれる!~」開催報告

イベント活動報告

2023年8月9日(水)、沖縄県立博物館・美術館で開催にて、「沖縄ならではのSociety 5.0に向けて~誰もが沖縄県の健康医療を支えるデータサイエンス人材になれる!~」(主催:健康・医療データサイエンス人材育成事業受託コンソーシアム(沖縄工業高等専門学校・トロピカルテクノプラス)、共催:沖縄県、後援:那覇市、日本バイオインフォマティクス学会、沖縄ITイノベーション戦略センター、ひろしまバイオDXコミュニティ、沖縄バイオコミュニティ)が開催され、会場参加者だけでなく、オンラインでも多くの方の参加がありました。

はじめに、沖縄県商工労働部ものづくり振興課 座喜味課長より開会挨拶のあと、沖縄工業高等専門学校の池松教授から健康・医療データサイエンス人材育成事業の事業概要の説明が行われました。

沖縄県商工労働部ものづくり振興課 座喜味課長

沖縄高専 池松真也 教授

基調講演では、名古屋大学の山西教授から「バイオインフォマティクスが拓く医療と創薬」について、疾患や生体分子に関するビックデータ解析において、バイオインフォマティクスがどのように役立ち、重要であるかに触れ、具体的にその知見を活かしAIや機械学習により薬の候補となる化合物を予測、実証していく事例等の紹介がありました。

名古屋大学 山西 芳裕 教授

つぎに、広島大学の坊農特任教授からは、「バイオDXを活用したゲノム編集技術開発におけるバイオインフォマティクスの役割」について、バイオDXへの取組みとして、ゲノム編集による育種(データ駆動型ゲノム育種)を切り口にその可能性や課題について、ゲノム編集に繋げるべく具体的にどのような流れや体制でバイオインフォマティクスを実践しているかのその役割について、また当該人材不足を解決していくため高校生を対象とした取組み、テキスト出版やTOGOTV配信等の人材育成の紹介がありました。

広島大学 坊農秀雅 特任教授

さらに、産業技術総合研究所の井口主任研究員からは、「沖縄県の自然環境を舞台にしたバイオインフォマティクス研究の展開」について、沖縄本島周辺海域の海水を分析して得られたデータを統計解析し、水質、地質、環境情報と併せて生物多様性を評価する研究について紹介がありました。

産業技術総合研究所 井口亮 主任研究員

パネルディスカッションでは、沖縄ならではのSociety 5.0に向け、健康・医療データサイエンス人材育成事業の役割と展望について、活発な意見交換がなされました。具体的にはデータサイエンスやバイオインフォマティクスに対する期待、世の中から求められていることについて討議し、沖縄県内の関連企業の現状を踏まえ、輩出される当該人材の登用についてや変化の激しい分野でもあるため早い段階から教育を普及させていくこと、バイオインフォマティクスを県民にもっと知ってもらう取組みが必要である等の活発な意見交換がなされました。また、今後の展開として、日本バイオインフォマティクス学会との連携にも触れ、 2024年10月の沖縄県那覇市の会場にて予定している2024年年会のGIW・InCoB・APBC・ISCBーAsia等の国際学会と合同開催の話題提供もありました。

パネルディスカッション

パネルディスカッション終了後には、参加者や講師の間での名刺交換や、情報交換をする姿もみられたこと、また、沖縄バイオコミュニティと同様に地域バイオコミュティに認定されている「ひろしまバイオDXコミュニティ」からの参加もあり、広島大学/バイオDX推進機構、広島バイオテクノロジー推進協議会の方々との情報交換も活発に行われ有意義な場となりました。

「沖縄ならではのSociety 5.0に向けて~誰もが沖縄県の健康医療を支えるデータサイエンス人材になれる!~」開催報告